中国語を習っていない人でも、
「ありがとう」を谢谢(シエシエ)って覚えますよね。
しかし、実は中国人は「ありがとう」を意外と使わないです。
「ありがとう」を言うと関係が悪くなることもありますよ。
それじゃあ、感謝を表現したい時にどうしたらいいでしょう。
今日は徹底解説(笑)、を試みますね
第1章 娘が中国でカルチャーショック
9歳の娘が、6年ぶりに中国へ行きました。
スーパーのレジで、店員さんに勇気を出して「谢谢!」と言ったんです。
でも、聞こえなかったのか、それとも気に留めなかったのか、そのまま次の仕事へ。
タクシーを降りた時も、「谢谢!」と言うと、
「ありがとうなんか、いらないよ、お嬢ちゃん!」
と、おじさんが少し照れたような、うれしそうな顔で言いました。
私には、「そんなこと言わなくていいよ。」という気持ちに聞こえました。

案の定、娘の「何で」スイッチが発動。
何でみんな「ありがとう」に喜ばないの?
何で他の人も「ありがとう」を言わないの?
と聞かれました。
実は私も、すっかり日本の「ありがとう文化」に慣れてしまっていて、すぐには理由を説明できなかったんです。
そのあと何日間も思い出しながら考えました。
中国の「谢谢」ってどんな感じだったっけ?
第2章 中国人が「ありがとう」を使う場面
もちろん、中国でも「ありがとう」を言われて嫌な人は、ほとんどいないと思います。
初対面の人。
目上の人。
まだ友達というほどではない知り合い。
そういう相手には、「谢谢」をごく普通に使います。
ただ、日本語の「ありがとう」と比べると、使う場面や頻度が少し違います。
サービス業の人に対して、お客さんが「谢谢」と言うかどうかは、地域やその人の考え方によってかなり違う印象です。
「サービスしてくれる人にも感謝を伝えるべき」と思う人もいれば、
「お金を払っているのだから、いいサービスを受けるのは当然」と考える人もいます。
前者が少ない地域では、お客さんから「ありがとう」と言われることに慣れていません。
だから、たまに感謝されると、
「えっ?」
と戸惑ったり、照れたりすることがあります。
そもそも「ありがとう」と言われることを想定していないので、レジでは次の仕事に集中していて、言われても聞こえていない人を私はよく見ました。
第3章 「ありがとう」を言わない方がいい場合
家族や親しい友達には、逆に「ありがとう」と言うと、水臭いと感じる人も少なくありません。
私も、たまにしか帰国しないので、親戚の集まりでは特に気を付けています。
以前、つい「ありがとう」と言ったら、
「外国へ行ったから、私たちと距離を置きたいのか?」
と冗談交じりに言われたことがあります。

ただ、もちろん全員がそうというわけではありません。
私の世代くらいからは、
「家族にも感謝の気持ちは言葉で伝えましょう。」
という西洋的な考え方も広がってきました。
お父さんやお母さんにも、普段から「ありがとう」と伝える人は増えているように感じます。
そういう人には、もちろん言葉で感謝を伝えたほうがいいと思います。
第4章 親しい友達にはどうやって感謝を伝える?
私なら、一言で言うと「行動」です。
中国文化では「言行一致」が大きな美徳です。
そして、「言葉」よりも「行動」のほうが重く見られることが多いです。
感謝しているなら、行動で恩返しをする。
そんな考え方ですね。
例えば、ご飯をごちそうになったら、今度は自分がごちそうする。
助けてもらったら、相手が困った時は真っ先に手を差し伸べる。
中国には、
「患难见真情(患難に真情を見る)」
という言葉があります。
困っている時こそ、本当の気持ちが分かるという意味です。
晴れの日に一緒に笑うことは、普通の知り合いでもできます。
でも、雨の日に一本の傘を分けてくれる人。
そんな行動こそ、本当の思いやりなのだと考えられています。

また、何かしてもらった時は、「谢谢」と言うより、
「うれしい!」
「これ、すごく気に入った!」
という自分の気持ちを伝えることも多いです。
それだけでも、感謝の気持ちは十分伝わります。
第5章 結局、どうしたらいいの?
ここまで読むと、
「じゃあ、中国人には『ありがとう』って言わないほうがいいの?」
と思った方もいるかもしれません。
私の答えは、
最初は、気にせず言って大丈夫です。
旅行で中国へ行く人なら、お店の人やホテルのスタッフ、タクシーの運転手さんには、「谢谢」と言って大丈夫です。
言われて嫌な人はほとんどいません。
たとえ相手が少し照れたような反応をしても、それは「そんなに気を遣わなくていいよ。」という気持ちのこともあります。
もし中国人の友達ができたら、その人との距離感を見ながら少しずつ覚えていけば十分です。
「谢谢」と言うよりも、
「すごく助かった!」
「本当にうれしかった!」
「これ、すごく気に入った!」
そんなふうに、自分の気持ちを素直に伝えるほうが、相手にはもっと伝わることもあります。
そして、本当に親しくなったら、言葉だけではなく行動でも返してみてください。
困った時に助ける。
ご飯をごちそうになったら、今度は自分がごちそうする。
そんなやり取りの中で、「この人は大切な友達だな」と感じてもらえることが、中国ではとても多いと思います。
文化に「正解」はありません。
大切なのは、「中国人はありがとうを言わない」と決めつけることではなく、「ありがとう」の伝え方が少し違うことを知ることです。
言葉だけでなく、その背景にある文化や価値観を知ると、外国語はもっと面白くなります。


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