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普段、私たちがアート作品を見るとき、
目に入るのは完成した作品です。
でも今回、台湾の竹工芸アーティストさんたちの制作をお手伝いしながら、
私は普段ならなかなか見ることのできない、
「作品が生まれる裏側」を見ることができました。
そこで一番驚いたのは、竹という素材の万能さでした。
今回の制作は、とても暑い夏の日に行われていました。
炎天下での作業です。
幸いテントが立てられ、
ありがた~いと思いきや、
2時間後は、太陽が向きを変え、
容赦なく照らしてくる。
そこで、なんと竹の登場です!
職人さんたちは、竹を土に刺し、紐で固定し
竹材を包んでいたブルーシートをかけて、
その場で立派な日よけを作りあげました。
市販のテントよりも頑丈そう、
しかも太陽の光の向きが変われば、
すぐにそれに合わせて角度や位置を変えることもできます。
既製品ではなく、
その場にある材料を使って、
その場の状況に合わせてつくる。
その手際のよさは、まるで魔法のようでした。

さらに、竹はテントの骨組みだけではありません。
長い竹の棒に小さな竹をちょこんと取り付けると、
今度はバッグを掛ける場所ができました。
「こんなものまで竹で作れるんだ!」
と、またびっくり。

竹は、作品そのものにも使われています。
作品を支える支柱を作るときには、
竹を少し削って先端を尖らせ、
柔らかい地面に刺していきます。
地面との相性を見ながら、
一本一本を土台として使っていく。
竹は長くて軽い。
しかも削ったり、曲げたりしながら、
その場で形を変えられる。
自然の中で作品をつくるときに、
こんなにも便利な素材なのだと、
実際に現場で見て初めて感じました。

そして、私が特に面白いと思った作品がもう一つあります。
たくさんの長い竹を編んで作られた、大きな作品です。
草の上に、まるで雲がふわりと浮かんでいるように見えました。
作品として上から眺めるだけでも美しい。
でも、私は制作のお手伝いをしていた特権を使って(笑)、
その下に入ってみました。
すると、そこには気持ちのいい影ができていたんです。
あんなに暑い日だったのに、その下はとても涼しい。
竹で編まれた作品が、自然に太陽の光をやわらげてくれていました。
「これ、作品であると同時に、すごく気持ちのいい場所でもあるんだな」
と思いました。

考えてみれば、私が子どもの頃、
おばあちゃんの家にも竹で作られた椅子がありました。
中国や台湾では、
昔から竹は家具など、
生活のさまざまな場面で使われてきました。
椅子になったり、
かごになったり、
家を支える材料になったり。
そして今回見たように、
テントの骨組みにもなる。
バッグ掛けにもなる。
作品の支柱にもなる。
そして、暑い夏の日には、
人に涼しい影までつくってくれる。
今回制作現場で何日か過ごしてみて、
私は改めて思いました。
竹って、本当に万能な素材なんだな、と。
普段、完成した作品だけを見ていたら、
きっと気づかなかったことです。
作品の裏側には、
アーティストさんたちが長年培ってきた技術だけではなく、
自然の素材を知り、
その特徴を最大限に生かすための知恵がありました。



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